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講演 いじめ問題に対する学校のシステムについて
[Default] 2017年09月06日
1 昨日近隣の校長先生達(何とその1人は小・中・高の筆者の後輩でもあることが判明)からお招き
を受け「いじめ問題に対する学校のシステムについて〜その課題と対策〜」と言うことでお話をさ
せていただいた。
> このきっかけはもちろん筆者が務めた平成28年度佐世保市包括外部監査人監査において「いじ
め問題」を一つのテーマとしたことによるが、この講演では単なる監査報告書の説明だけでなく、そ
の監査の過程で筆者が感じ・考えたいわば処方箋のようなものもお話しさせていただいた。監査にお
いては客観性が求められるゆえ、その性質上こういう個人的な識見に基づく提言を文章にすることは
できないのは当然なのではあるが、非常に腹ふくるる想いをしていた。この講演でようやく筆者の頭
の中で考えていたことをアウトプットすることができたのである。どう考えても大切なことなのにア
ウトプットできず忸怩たる思いでいたところだったのでこういう機会を与えていただいたことに心か
ら感謝している次第である。
2 さてテーマに対しては、いじめ問題のベーシックな講義のみならず、いわばアドバンス講義も行
った。その主たる事項としては、@学校でのいじめ対応決定の権限と責任A情報の共有とセキュリテ
ィ体制、の問題の2点に収斂されると思うが、これらの点は教育界のみではなかなか気づかない、も
しくは気づいてもなかなか対処できない問題であり筆者のような法律実務家が提言してお役に立つ部
分は十分に存するとお話ししながら実感した。
 但し細かいところで言えば今回の講演では、情報管理責任者は校長先生を予定しているということ
でお話ししたのであるが(参加されていない方には何のことやらおわかりにならないでしょうが)、
この情報の開示・非開示、その範囲等の判断を、もし何かあったらマスコミの矢面に立たされる校長
先生1人に任せて良いものか等、色々議論は尽きないのであるが、今回の講演をきっかけに今後議論
が深まっていけば幸いであるという思いである。
3 世の中では、頻発するいじめ問題を背景に、いじめ問題が生じたときの調査委員会の設置の仕方等
に関し、どのような調査組織が望ましいのかについて、独立性を重んじるべきとか、教育委員会か
ら独立した首長による第三者機関設置が望ましいとか盛んに議論されている。しかしながら筆者か
らするとこういったあまり実りのない議論をするくらいなら、もっと当時何が起こっていたのかをう
かがい知ることのできる証拠をどう保全しておくか、誰がどう判断すべきか等に思いをいたすべき
であると思われる。万一事故が起こった場合にはこのときにどうしてその芽を摘めなかったのかを
より検証すべきである。今こういうことは全くできていない。この文章で直ちに一読了解するよう
なものではないことは(書きながら)判っており、筆者がこのように言っている意味は昨日の参加
者の皆様であればその重要さは判っていただけると信じている。
4 そして、この方向のみが、いじめ問題に真正面から対処する唯一の道であると信じている。いじめ
被害で命を落とされたお子さんの親御さんが必ず「何が起こったのか真相を解明して欲しい」「我
が子のような不幸な事態は2度と繰り返して欲しくない」と仰るのを報道で目にする。100パー
セントではないだろうか。しかしこの切なる願いはいずれも依然として叶えられていない状況であ
ると認識している。この切なる願いを叶える方法は先ほどの方法しかないはずである。ちょっと筆
が熱くなってしまっているが、いじめをきっかけとしてまだ将来のある若人が命を落とすことほど悲
しい出来事はないと感じている。一刻も早く撲滅すべき問題であると感じる故でありご容赦願いた
い。
5 本文書は今回この講演をした備忘録として残しておいた方が筆者にとっても良いと考え、その思
いをこういう形で書き留めることにした。ご参加いただいた皆様に心より感謝いたします。ありがと
うございました。