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2015年09月28日 [法律]

中小企業の海外取引について 国際商事仲裁制度


1 先日国際商事仲裁セミナーという日弁連の主催のセミナーに参加した。別にこういう分野を積極的に手がけるつもりなどはさらさらない訳であるが、仮に現在、集中的に交渉がなされているTPP等が締結されたりしたら、さすがに筆者の身近な中小企業が国際紛争の波にさらされる危険性があるかもしれないと考え、勉強のため参加してみた次第である。その内容は皆様にお伝えした方が良いと思われるもの多かったのでご紹介する。
2  国内業者間でトラブルになれば、最終的には裁判所で白黒つけてもらえばよいというのが通常の日本人の感覚である。しかし国際紛争はこうはいかない。海外の裁判所そのものが汚職まみれで、結局、裁判官に対する賄賂額で勝敗が決まってしまうというようなちょっと信じられないようなリスクがあるのである。筆者の偏見で言っているのではない。次の表はトランスペアレンシー・インターナショナル社というところが出している「腐敗認識度指数2014」というランキング表です。世界175カ国中、アジア各国の順位と指数である(「アメリカ」は参考のため筆者が挿入)。日本はなかなかの位置にあるが、韓国はそうなんだという順位にあります。筆者の目から見て腐敗認識度指数50が、一応の分岐点になると思われる。
例えばインドは裁判が10年たっても終わらないと言うことは聞いたことがありま
す。
│ 順位 │ 国名 │腐敗認識指数│
│ 2 │ニュージーランド │ 91 │
│ 7 │シンガポール │ 84 │
│ 11 │オーストラリア │ 80 │
│ 15 │日本 │ 76 │
│ 17 │米国 │ 74 │
│ 17 │香港 │ 74 │
│ 30 │ブータン │ 65 │
│ 35 │台湾 │ 61 │
│ 43 │韓国 │ 55 │
│ 50 │マレーシア │ 52 │
│ 50 │サモア │ 52 │
│ 80 │モンゴル │ 39 │
│ 85 │インド │ 38 │
│ 85 │フィリピン │ 38 │
│ 85 │スリランカ │ 38 │
│ 85 │タイ │ 38 │
│ 100 │中国 │ 36 │
│ 107 │インドネシア │ 34 │
│ 119 │ベトナム │ 31 │
│ 126 │ネパール │ 29 │
│ 126 │パキスタン │ 29 │
│ 133 │東チモール │ 28 │
│ 145 │バングラデシュ │ 25 │
│ 145 │ラオス │ 25 │
│ 145 │パプアニューギニア│ 25 │
│ 156 │カンボジア │ 21 │
│ 156 │ミャンマー │ 21 │
│ 172 │アフガニスタン │ 12 │
│ 174 │北朝鮮 │ 8 │

3 そこで日本の企業が海外進出するときには合弁企業をつくることが多いわけであるが、例えばその合弁契約に関するトラブルを、進出先の裁判所で解決しようとすると、上述の裁判所の腐敗・遅延の問題に直面するわけである。そのリスクを避けるためには、仲裁条項を活用し、国際商事仲裁制度の下で解決を図ることを考えるべきと言うことになるお話でした。なるほどと思わせるだけの内容でした。それにしても現在海外進出先として人気のベトナム・中国等が上記のランクであると言うことはよく理解しておかなければいけないカントリーリスクである。


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