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2017年04月03日 [法律]

佐世保市平成28年度包括外部監査人の引き受け秘話

> 佐世保市の平成28年度包括外部監査人の職務を先日、無事終了した。現実的には監査報告書の提
出をもって、めでたく終了と言うことになったのである。
> その監査報告書は400頁を超えるなかなかの大作であり、もちろん筆者一人でここまで漕ぎ着け
たということではない。私がお願いした精鋭4名の補助人(地方自治法上の用語)の方に支えられて
の完成である。
> ところで、この業務終了の機会に、筆者がこの包括外部監査人をお引き受けした経緯とかモチベー
ション等について整理しておきたいと思う。最近物忘れが激しいので。
1 きっかけ
> まずこういう難題が筆者に降り懸かってきたのは平成27年12月末頃であった。佐世保市が平成
28年4月1日から中核市に移行するのに伴って包括外部監査制度の採用が不可欠となり、そのため
の人選をこの頃から進めていたものと思われる。そしてこの包括外部監査を実施する監査人の資格と
しては、弁護士・公認会計士・税理士等とされているのであるが、実際には制度全体でも、公認会計
士が引き受けることが圧倒的に多いのが実情である。ところで平成28年4月時点において佐世保市
内における公認会計士は現時点において1人しかいない(現在も同じ)状況である。しかもその会計
士は筆者の弟なのである。
> 佐世保市はこの弟にまず当然包括外部監査人就任の打診をしたと思われるがこれを弟はあっさり断
った。断る理由はある程度理解できる。とても包括外部監査に充てる時間を確保できないというのが
主な理由だと思われる。弟は1人で会計士事務所を取り仕切っているため、日常の会計業務とこの包
括外部監査業務とは時間的に両立しないはずである。そこで従前より佐世保市と関わりも相当に深く、
そこそこの法律実務等の経験があるということで筆者に白羽の矢が立てられたと思われる。
2 決断
> @この話を直ちにお断りさせていただくことは十分可能だったが、筆者の予想としては今回お断り
しても、佐世保市が中核市であり続ける限り何回もこの打診は続くと言う展開が考えられた。そう
するとどうせ避けられないものであれば早いうちにやっておいた方が良いかもしれないという考え
がわいてきた(子供が苦手のピーマンを先に食べてしまおうという感覚に近い)。また、他方、筆
者が断ると適任者がなかなか見つからずに結局福岡等佐世保市外の公認会計士等が選任されてしま
い、あまり佐世保市のためにならないのではないかと感じていたこともある(失礼な言い方ではあ
る)。筆者の実感であるが、良い監査になるためには、監査対象に対する愛情・愛着はその前提と
してどうしても不可欠であるように感じる。それがないと場合によっては単なる「意地悪」のよう
になる。そして前述のように佐世保においては公認会計士は1人だが、弁護士は経験年数を不問と
すれば30人程度はいる。この観点から佐世保市にとって意味のある包括外部監査を続けるために
はできるだけ郷土愛が見込める彼らに引き継ぐ方向を敷くことが望ましいと考え、その先鞭を筆者
がつけられればと考えたわけである。
> Aところで筆者も同じく、1人で法律事務所を取り仕切っている弁護士である。会計士と比べると
外に出張等の外出の頻度は少ないものの、法律相談・裁判等の日常業務は筆者の日程・都合とは関
係なく発生するため、普通に考えても、これら不規則な日常業務と包括外部監査業務とは両立しが
たい。
> B他方、筆者は、かねてより、監査業務について、公認会計士の行う監査とは異なる手法での監査
のやり方があることを、弟と共同して行った監査を通じて体感していた(以下この手法を単に「新
手法」という。)。それは、ある法人について弟は会計面、筆者は法律的ガバナンス面、から内部
統制の再構築をお手伝いするという共同業務の依頼を受けたことがあるのであるが、その結果、会
計面からの監査も、ガバナンス面から見た監査も同一事象を切り口を替えて検証・監査するだけの
ことであるということを目の当たりにして、この新手法によって会計士監査に劣ることのない、顧
客に役立つ監査は十分に提供できるとの思いを強くしていたのである。その後筆者は各種の管理監
督関係の委員会等に参加すること等が、少なからずあったが、そこでの実践経験においてもこの意
は揺らぐことなく持ち続けることができた。この新手法によれば、少なくとも1日中執務室にこも
って会計帳簿上の数字の確認作業を強いられるというような負担は避けられると考えていた。
>Cこの関係で、話は脱線するが、包括外部監査人と佐世保市との間で報酬も含んだところの委任契約
を結ぶわけであるが、そこでの報酬の計算は、この会計士的な発想と言ったら怒られるかもしれな
いが、執務室に何時間こもって作業をしたかという意味での執務時間に重点が置かれている。主に
その執務時間として想定されているのは、帳簿等の確認作業とその集計である。しかし、筆者の言
う新手法による監査方法の下ではかような発想は無意味である。本当は筆者のところで、この委任
契約書の改訂の所までいたればよかったのであるが、そこまでの準備・交渉はできなかった。今後
検討すべき重要な課題である。
>Dところで前述のように数字の確認作業のような負担は相当軽減できるとの算段はあるにしても、そ
 れでも、資料の収集・整理等というように、一定の企画を現実化する作業は間違いなく存在するわ
 けで、それも相当な量であり、これは筆者の日常業務と両立する量のものではないと言うことも判
 っていた。そこで、企画を具体的に実現していただけるディレクターのような方が見つからない限
 りお引き受けできないと考えていた。
>Eそんなところに救世主のような若手女性弁護士さんが現れた。これまで直にお話ししたことはなか
 ったが、そこは筆者もそれ相当の人生経験を積んできている弁護士なので、ちょっとした話しでも、
 その方の力量の可能性は十分であると直感できていた。これは筆者にとっては本件包括外部監査の
 引受を可能とする千載一遇のチャンスが到来していると感じたのである。そして幸いにして比較的
 早い段階で前述したディレクターのような役割をお引き受けいただけたのである。もし彼女のご都
 合がつかないと言うことであればこのお話はお断りすることにしていた。そういうディレクターを
 迎えた筆者はどういう役割かと言えば、プロデューサー兼脚本家のような感じであるように考えて
 いる。
>Fこういういろいろな考えや事象が重なって、佐世保市平成28年度包括外部監査人をお引き受けす
 ることにした。なお、この監査結果は佐世保市監査事務局の次のアドレスに報告書がアップしてある
 ので興味のある方はご覧ください。
>
> http://www.city.sasebo.lg.jp/kansa/kansajim/kekka2016.html


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