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2020年04月14日 [法律]

コロナ禍の下において日本国政府が取るべき経済対策 生存の保証

1 本日(2020年4月13日)現在、政府は新型コロナウイルス感染症により影響を受
ける中小・小規模事業者等を対象に資金繰り支援及び持続化給付金等の発表をしている。
しかしこれに対しては、ほとんどの事業者が不満を漏らしている。当然である。200
万円〜100万円の給付を受けても事業の資金繰りとして何とかなるものではないこと
は本当に一部の零細事業者等の例外を除いて当然である。
  それでは政府は中小・小規模事業者等の対策として、どういう考え方で臨むべきで、
そのためにどういう施策をとるべきか、ということについて述べておきたい(尚ここで
述べる提言は先日HP上にご提示した事業者の緊急資金繰りを政府が一括してやってほし
いと言うことでもある)。
2 日本国政府はこのコロナ禍の下での経済対策としてどういう考え方で望むべきかとい
うことであるが、一言で言うと国民個人個人の生存の保証と事業体の生存の保証だけは
しっかりしてほしいということである。ここに個人の生存という意味は、とにかくこの
コロナ禍が一段落するまで生存できるようにするという意味であり、事業体の生存とい
う意味は、例え事業を一旦休止したとしてもコロナ禍が一段落したあとは事業を開始で
きるような対策を講じてほしいと言うことである。したがって事業の売り上げ補償とか
そういう類いのものではない。
わかりやすく言うと戦時下における政府の義務と言い換えても良いかもしれない。戦時
下において各事業所の休業はやむを得ないにしても、戦争が終結したら営業が開始でき
るようにしてほしいと言うことである。あまり多くのものを求めても財政的にも応えら
れない。しかしながらせめて個人および会社の生存の保証だけは政府として行ってほし
いと言うことである。
3 事業体の生存について
まずこの観点からの、事業体の生存についての施策ということである。事業体の生存
の中核は経費で言うと固定経費というもにになり、その固定経費は賃料を中心とする施
設の利用に伴う債務と人件費が主要なものになる。
@まず賃料は少なくともウイルス特別措置法に基づく休業要請期間については全額免除
するか、大幅免除する必要がある。同じくこの施設を銀行等からの借り入れで賄ってい
る場合もあろうがこの借入債務の返済も該当期間は返済免除等をしなければならない。
自家用の建物の場合は固定資産税の免除も必要である。こういう施策を講じない限り事
業者はその維持のため事業所を開けざるを得なくなるのである。
A他方人件費については、まさに法律的措置になる。すなわち当該期間については労働
基準法第19条適用の例外をもうけて、(コロナ問題収束後の再雇用約束等の条件等を
前提に)自由な解雇を認めるべきであり、他方それで解雇された労働者はより簡素化さ
れた方法による失業手当給付により個人の生存を図ると言うことになる。
Bなお前述@のように賃料の免除というとなると、この賃料で生活している人等がいる
わけで、この方をどうするかというと、やはり同じく生存は保証するという意味で一定
額の給付を行うべしということになる。決して賃料全額の保証ではない。またこういう
方も場合によっては銀行から借り入れて施設を建設しているかもしれない。その場合そ
の借入金の返済も免除すべきと言うことになる。
C他面資金力のある大企業も理論上は以上のことは妥当すると考えられる。しかしなが
ら国民の士気にも関わることなのでできれば適用できないとしたいという考えである。
これは法律の問題ではなくもはや政治の問題である。
4 個人の生存について
 個人については賃料数百万円というところにすんでいる方もいることを考えると賃料の
一律免除までは必要だと思わないが、一定の範囲内(10万円までとか)の賃料について
はやはり免除を考えなければならない。少なくとも賃料を支払うために仕事に出なけれ
ばならないと言うことは避ける必要があるからである。他方、テレワーク可能な方や公
務員など賃金のために必ずしも出勤する必要のない方には賃料の減免は不要である。個
人の場合にはバラエティーがあるので何らかの判定方法が必要になろう。個人はまだ考
えがまとまっていないと言うのが正直なところである。本当はこんな時のための個人ナ
ンバーカードであったと思うのだが
5 まとめ
 今までこういう方向の議論をあまり目にしたことはない。もっぱら売上げ補償とか、営
業補償といういわば通常通りの営業を前提にした議論ばかりを目にしている。しかし、
こういう考え方もあると言うこともお示しする必要もあると考え微力ながら本稿を執筆
した次第である


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