6交通事故|佐世保 長崎県北(平戸市・松浦市)を拠点とする弁護士(松尾茂利法律事務所)です。

松尾茂利法律事務所
故郷、佐世保の皆様に誠心誠意ご奉仕します。

交通事故の発生から示談までの流れと注意点

事故発生時の注意点

事故直後はたいしたケガはないと思っていても,あとから症状が現れる場合がよくあります。
もし事故直後の,警察の扱いが「物損事故」扱いとなっている場合には,医師の診断書をもって警察に行き,「人身事故」に切り替えてもらうようにしてください。
物損事故の事故証明書のままだと,保険会社から人身事故として扱ってくれない可能性があります。
したがってご自身の事故が,どのような扱いとなっているかを「交通事故証明書」で確認しておかなければなりません。
最もあとで深刻な問題を起こすのが、@警察に報告をしない場合A警察に連絡はしたが障害があり人身事故なのに物損扱いをした場合、です。@の場合は保険事故と認めてもらえない可能性があります。Aの場合、前述の問題に加え事故原因についてもめたとき後日真相が究明できなくなる可能性が高くなります。警察の捜査が雑になるからです。なお、事故からある程度日数が経過すると警察はもはや人身事故扱いをしてくれないときも多いようです。

治療(通院・入院)の注意点

1 事故の治療に,健康保険や労災保険を利用して良いかの質問がよくありますが、使用されることに特に問題はありません。病院によっては,事故による治療での保険利用を拒否するところがありますが,法律上,利用できないということはありません。自由診療で治療を行うことのメリットはあまり考えられず,初診から健康保険を利用して診療を受ける事は全く問題ありません。通勤途中や業務中の事故であれば,労災を利用することが可能です。

2 入院される場合の個室利用や通院でのタクシー利用は,医師の指示を仰いだ上で!
タクシーでの通院などは,その必要性が認められなければなりません。事前に保険担当者から了解を取り付けるのが無難でしょう。入院中の個室利用も同様です。もし事前にこういう同意がない場合には医師から個室利用の必要性を証明してもらったり,タクシーを利用しないと通院できないという事情を証明する準備をすることが必要になってきます。

いわゆる症状固定時の注意点

1 症状固定とは
ケガがある時を境に幾ら治療を続けても近代医学をもってしても、痛みがそれほど変わらなかったり,大した効果が感じられなくなってしまうことがあります。このような状態を「症状固定」といいます。
したがってこの時点をもって「治療」の意味が失われると言うことになります。それと同時にその段階で障害が残っている場合には,後遺障害に対する賠償の問題となります
したがって保険会社からの治療費の打ち切りが告げられる時点ですから,この症状固定の要請には慎重な対応が必要になります。専門家である医者とよく相談して決めてください。
2後遺障害の等級認定
他方、症状固定後に障害が残ったら,後遺障害の等級認定を受ける必要があります。
 その後遺障害の等級認定には,保険会社にお任せして手続を進めてもらう事前認定と,被害者の方から積極的に動いていく被害者請求とがあります。 「被害者請求」は,被害者の方が自ら資料を収集・提出しなければなりまっせんが,提出する資料を把握できるなどのメリットもあります。

保険会社との示談交渉時の注意点

示談は締結する前に,必ず弁護士と相談してよく検討をされてください。一度,示談をしてしまうと,特別な事情がない限りやり直すことはできないからです。一般的に,保険会社の担当者は,保険会社なりの基準をもっており、示談金として,裁判所などで認められる金額よりはるかに低い金額を提示する場合が殆どです。大手保険会社かどうかと言うのは関係ありません。とにかく一度,弁護士に相談することをお勧めします。

労災保険か自賠責保険か

第1 交通事故における労災保険と自賠責保険の利用の比較
通勤中に交通事故に遭遇して傷害を負った場合などには労災保険と自賠責保険の利用が考えられます。しかし両方を同時にもらうようなことはできません。通常、自賠責の限度額(120万円)ですむような事故では自賠責保険(任意保険)を優先して問題ないと思うのですが、以下の場合には労災保険の利用をお勧めすることになります。

@.その交通事故に対して自分の過失割合がかなり大きい場合(自分が加害者の場合を含む)
自賠責保険では、自己の過失割合が7割を超える者に対しては、損害補償が5割〜2割の範囲で減額されてしまいますが、労災保険にはこのような過失割合による減額がないからです。
A.交通事故の過失割合について相手と揉めている場合

B 相手の車の所有者が運行供用者責任を認めない場合

C 相手が無保険又は自賠責保険しか加入していない場合

ただ,自賠責保険の場合は,「仮渡金支払制度」などがあり,損害賠償額の支払いが速やかに行われることがあります。さらに,自賠責保険の場合は,労災保険の保険給付では支払われない「慰謝料」が含まれていて,また,「休業損害」についても全額(労災→特別支給金を入れても80%)の支払があることなどのメリットがあります。

第2 . 労災保険と自賠責保険の調整

被災労働者から労災保険給付の請求があった場合、労働基準監督署長は、保険給付に先立ち、自賠責保険の保険会社 (自賠責共済の場合には都道府県共済連等)に対し、保険給付をしようとする金額、 年月日等を通知するととjもに被災労働者等が自賠責保険に請求を行っているかどうか、また請求が行われている場合には、損害賠償額や保険金、 仮渡金の支払の有無等を照会します。これに対し保険会社から自賠責保険に請求がない旨回答があった場合には労災保険給付を行います。 すでに自賠責保険から支払が行われていた場合、または被災労働者が自賠責保険先行を希望した場合には、自賠責保険支払が先行しますので、 その間、労災保険給付はストップします。

労災保険給付が先行した場合には、その金額の限度で労災保険が損害賠償請求権を取得し、自賠責保険に求償します。

第3 労災保険手続き

労災指定病院へ「療養給付たる療養の給付請求書(様式第16号の3)を提出し、

労働基準監督署へは、「第三者行為災害届」「交通事故証明書(原本)」「労災保険給付先行理由(願出)書)を届けます。

また、会社を休業する場合は、「休業給付支給申請書」「賃金台帳の写」「タイムカードの写」を申請する事で、休業給付を受ける事ができます。

特約で弁護士を頼むことについて

最近自動車保険に弁護士特約がついていることからこの特約を使っての弁護士選任事案は相当多い。
ただ依頼者がこの特約を使った方が早く事案が処理できると考えられている場合も多いが、そうではないということを申し上げます。
いわゆる裁判基準より多額の請求をする弁護士も多く、そういうケースは非常に高い確率で裁判に突入するので時間がかかります。また特約で双方弁護士を立ててしまうと、弁護士の意地もあり、なかなか譲ろうとせずにこれまた裁判に突入する。これは少額の対物事故の場合時間ばかりかかってしまって悲惨である。私も保険会社の顧問先をもっているが、以前より人身事故の場合、弁護士による請求額がインフレ傾向にあるのは間違いない。また早い時期に弁護士をつけてしまうと、相手の保険会社はその弁護士がするものと考え何も動かなくなりその弁護士が慣れない保険の点数計算をするためいたずらに時間がかかることもある。
それではどの時点で特約を使うのが理想的かというと保険会社から提示があった直後である。このタイミングであれば人身事故である限り弁護士を頼む意味があるのは間違いない
解決事例
14級後遺障害の事故 保険会社提示額260万円→500万円で示談成立

依頼者は,信号停止中に交通事故(追突)に遭い,局部に神経症状を残すとして,14級の後遺障害認定を受けた。
加害者の任意保険会社は,治療費等すでに約250万円を支払済みであったところ,症状が固定したので,賠償金として残金260万円を支払って示談を成立させたい旨を提案してきた(保険会社基準では損害額合計は約500万円ということ)。
当方において,裁判基準に基づいて計算したところ,損害額合計金額は1000万円近くとなることが判明した。保険会社基準の約2倍である。
担当弁護士が保険会社と交渉し,依頼者も裁判までは望まなかったため,残金500万円で示談が成立した。

道路横断の危険性 過失相殺

赤信号なのに横断歩道を渡る人を見て「何をやっているんだ。子供の教育上よろしくないな」と苦々しい気持ちで見ている人も多いと思う。この現象を法律家の目から見れば、「無謀な横断をして交通事故に遭ったりすると大損するんだけどな。わかっていないだろうな。」等と冷ややかに観察している。
どういうことかというと、交通事故で人を轢いて怪我等した場合には、被害者は加害者に対して損害賠償請求権を取得します。その時被害者にも落ち度があった時どうするかということになりますが、民法722条2項は「被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。」としています。これを過失相殺と言います。以下具体例で説明します。
1 歩行者:青信号で横断開始
  自動車:赤信号で進入
 歩行者が横断歩道を青信号で渡っているときに事故に遭った場合、歩行者には何の落ち度(過失)もありませんので過失相殺されることはありません。
なお横断歩道の範囲はどこまでとされているでしょうか?歩行者が横断歩道をわずかに外れて横断した場合はよく見かけます。この場合どう評価するのでしょうか?この点、一般的には、横断歩道上とは、横断歩道内(白線内)のみならず、横断歩道の端から外側に1m〜2m以内の場所を含むものと考えられています。従って運転者としては白線から1〜2メートルの範囲は横断歩道だと考えて運転しなければならないと言うことになります。

1青赤

2 歩行者:赤信号で横断開始
  自動車:赤信号で侵入
 これは街でよく見かける光景になります。車道は赤信号になったとしても、横断悟道は直ぐ青信号にあるわけではなく約3秒後に青信号になるわけです。その関係で車道の赤信号だけを確認して横断歩道を渡ろうとするとこの場面が出てくることになります。この場合歩行者に過失相殺割合は20%あるとされます。具体的には損害賠償額が総額100万円の場合、20%の過失相殺割合が控除されて80万円しかもらえないと言うことになるわけです。但しその他の条件でこの過失相殺割合は変化します。この車道が国道であるとか歩行者が児童であるとかの諸条件で変わってくるわけです。

2赤々

3 歩行者:赤信号で横断開始
  自動車:黄信号で侵入
 これは2をさらに進めて車道が黄色信号になったところで、歩行者が歩行者用信号が赤信号なのに横断を始めたという場合です。この場合歩行者に過失相殺割合は50%あるとされます。

3赤黄

4 歩行者:赤信号で横断開始
  自動車:青信号で侵入
これは歩行者の究極の遵法意識のなさが現れている場合といえます。この場合歩行者に過失相殺割合70%あるとされます。この歩行者が一家の主であり、死亡事故である場合損害賠償額の30%しか遺族はもらえないわけです。一家の主の責任を果たしていないと言われてもやむを得ないところだと思います。

4赤青

5 道路横断
 これは単純な道路横断のケースです。近くに横断歩道がないことを想定しています。この場合基本の過失相殺割合は20%とされています。この道路が国道のような幹線道路だと+10パーセントされ30%になります。またこの事故は夜間に起きやすいわけですが、夜間だと+5パーセントされるので合計35パーセントとなります。35パーセントも減額されるとなるとこのケースの事故は死亡事故が多いので相当な損失になるわけです。

5道路横断

6 まとめ
 以上でおわかりの通り赤信号なのに横断歩道を渡る行為もしくはそもそも車道を横断する行為は大変な損失をもたらす可能性がある行為であると言うことになりますので気をつけたいものです。

PageTop