2相続・ワンストップサービス|佐世保 長崎県北(平戸市・松浦市)を拠点とする弁護士(松尾茂利法律事務所)です。

松尾茂利法律事務所
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納得の老後・終活に当たって克服しておくべき課題

1 これからのお話の該当者・該当ケース 
これから行うお話しの該当者は、ご自身にとって信頼のできる配偶者・お子様等の相続権のある相続人がいるという場合を除く全ての場合ということになります。したがって、いわゆるお一人様も、配偶者やお子様等の相続権のある相続人がいらっしゃらないわけで、当然該当者です。その他、相続権はないけれども遠縁の姪っ子が熱心に介護をしてくれているというような場合も該当します。要するに、お世話をされる方と相続権を持つ方(これを推定相続人と言います)が一致しない場合は全て該当すると言うことになります。換言すれば、相続人より、現にお世話になっている人(もしくはお世話になろうと思っている人)に今後自分の老後を見てもらういたいという時に解決しておくべき問題ということをお話しするわけです。このようなケースは頻繁に起こりうることです。しかしその場合に起こる問題について備えてないケースがほとんどです。

2 その一 死後事務委任契約
いきなりですが、ご自身がお亡くなりになったとします。
@医療費、入院費・老人ホーム等の施設利用料等の精算手続きをやる人を決めていますか。誰かやってくれるだろうと安易に考えているとしたら、善意でやってくれた方にご迷惑をおかけすることは間違いなしです。
Aたとえやってくれる方を決めていたとしても、その人にやはり迷惑をかけることになりませんか。具体的にはそのお金はどうやって渡しておくのですか。銀行預金に入っているから大丈夫というご意見があるかもしれませんが、銀行預金は貴方が死んだら誰も引き出せないよう凍結され、遺産分割協議がまとまらない限り払い戻しできませんので簡単に精算はできません。また、その方が相続人であればいずれ立替分は回収できるかもしれませんが、もしその方が相続人でない場合にはどうやっていわばその立替金を回収するのですか?相続人が応じてくれなかったらどうするのですか?
Bそういう場合を見越して、先にお金を渡しておくとしても贈与税の問題は出るでしょう。その他、前もって預けておいた預り金を流用される心配はないですか?
以上の問題に対して、冒頭で述べたご自身にとって信頼のできる配偶者・お子様等の相続権のある相続人がいらっしゃる場合は大きな問題はありません。そうでない場合には上述の@〜Bの問題は重大な問題となってきます。
この問題を克服するツールが「死後事務委任契約」というものです。簡単に言うと「私が死んだらこれとこれお願いね」ということをあらかじめ取り決めておく契約です。形式を重視する喪主だけは親戚に依頼し、その他のことは死後事務委任契約で信頼の置ける方に依頼すると言うことも可能です。契約内容は完全にオーダーメイドで作成するほかありません。こういう契約を適切に結んで上の@〜Bの問題を克服していくのです。

3 その二(遺言との関係)
この死後事務委任契約と遺言とはどう違うのか、ということを疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、上述の死後事務委任契約の内容を遺言に書いても基本的に効力が発生しないのです。どういうことかというと遺言としての法的効力が生ずる事項は,民法などの法律によって限定されており、例えば先ほどの老人ホームの施設利用料を精算すべしと書いても原則的に効力は直ちに発生しないのです。効力が発生しないというのは、法律上の義務にならないと言うことで、そう書いてあることに自主的に従うことはあるにしても、従うべき法的義務はないのです。遺言として法的効力のある事項を遺言事項と言いますが、この遺言事項として典型的なのは、遺贈・相続分の指定・遺産分割方法の指定等の遺産分割に関する事項になります。結局死後事務委任契約と遺言とでは使用する局面が違うのです。お世話になった方に遺産を与える形で報いたいと言うことであればやはりこの遺言という方式を活用することになります。

4 その三(重度認知症などへの対策 任意後見契約)
老後から死亡まで何も起こらなければ問題ないのですが、やはりその途中での認知症のリスクは避けられません。そんなことになったら、家を出て日当たりの良い老人ホームにでも入居してのんびりしようと考えていたとしても、重度の認知症になったりするともはや入居契約でさえ締結することができません。このような場合に備えて、まだ元気なうちから信頼できる方を後見人に指定する「任意後見契約」を締結することをお勧めします。重度の認知症などの場合は裁判所による法定後見人選任で対応できるというご意見もあるかもしれませんが、その法定後見の場合はどうしても支出は必要最小限度に押さえると言うことになりますので、皆さんが思い描くような豊かな老後を送れるような施設に入居できる可能性はほとんどなくなるのです。例えば、そういう施設であれば入居一時金捻出のために従前の不動産売却等がどうしても必要な場合が出るかもしれませんが、これができうるのは現状では任意後見しかないのです。そして任意後見の場合、ご自身が「この人」と見込んだ人を後見人に指名できます。そういう方は普段からそのご高齢者とコミュニケーションをとられているので余生の生活のイメージを最も共有されている方になります。そういう方に後見人になってもらうのが最も相応しいのです。但しその任意後見人の資格については特段の制限がありません。任意後見人に就任して、思いもかけぬ大金を管理することになって変な気持ちが起きないとは限りません。そういうことに備えて任意後見ではこの任意後見人を監督する任意後見監督人という人を裁判所が選任することになっています。この任意後見監督人には法律家が選任されます。こうやって重度の認知症などの場合にもその高齢者の豊かな老後の生活を確保していくことになるわけです。
ところが、こういう対処をされていない方が実に多いのです。その場合、後日法律相談に来られても、上述のような準備をしていないために、今まで何の世話もしてこなかった相続人に半ば犯罪者呼ばわりされて泣く泣く手を引かれることになります。そういうことがないようにお世話になった方のためにもしっかりした対応をしてあげたいものです。

使途不明金問題の遺産分割調停での取扱いの実際

1 はじめに
この「使途不明金問題」は相続問題を「争族」問題化させている非常に大きな原因になっています。多くの場合、金額的には大きな問題ではなく、相当程度に心情的な問題なのですが、この
問題が解決しないために全体としての相続問題が相当こじれてしまうというのがよくあるパターンです。
2 使途不明金とは
@ 本稿での使途不明金とは、被相続人名義の預貯金につき相続人の一人によって相続開始前後引き出されたその使途が相続人全体にとっては不明もしくは不合理な払戻金のことをいうこ ととします。具体的にどういう場合にこの使途不明金問題が生じるかというと
@死亡すると預貯金が凍結するため、死後事務のために管理しやすいように生前に引き落としておく場合、
A被相続人に贈与すると言われたので、自分のために引き出す場合、
B被相続人のために使用するため、被相続人の代わりに引き出す場合、
C着服(違法)目的で引き出す場合
等である。@〜Bの場合というのは、どんな人でも世話をしている限り必然的に生じうる問題であると言えます。
A 使途不明金問題の発生時点
この使途不明金問題は、典型的には相続直前あるいは直後に多額のお金を引き出した場合にも発生しますが、その他、相続人の一人が寝たきりの被相続人の預金を管理している場合のように長期間にわたっても発生します。
3 調停制度に対する誤解・過大評価 「遺産分割調停の実際」
本稿の本題を説明する前に、皆様の中に「遺産分割調停」という制度に対する誤解・過大評価があるのではないか、と感じる点についてについてご説明しておきます。「遺産分割調停の実際」の説明と言うことになります。この点を理解しておかないと以下の説明がなかなか理解できないと言うことになります。
@まず一点目は家庭裁判所は主体的に「使途不明金の真相の調査等」はしてくれないという点です。使途不明金の問題があるときに家庭裁判所が真相を究明して不正を暴き出してくれるのではないかと期待している方のご相談をお受けすることがありますが、そういうことは全く期待してはいけないことを理解されておく必要があります。そうするとその点を明確にしたいという方は自ら証拠を示せないと、調停でおよそ問題にしてくれないと言うことを意味します(仮に問題にしても解決できるとも限らない)。
A二点目は「遺産分割調停」というものは、現に被相続人名義になっている財産(要するに現に管理・保管されている財産)について分割する制度として運用されており、現に管理・保管していないが、本来管理・保管されるべきという財産というものについて、これを元に戻して分割しようと言う制度ではないと言うことです。具体例で言えば、ある被相続人の死亡後に預金から1億円の引き出しがあったため、その預金残額が100万円になっていたとする。この場合遺産分割調停で分割の対象とされるものは現に保管・管理する100万円であって、本来あるべき預金としての1億100万円ではないということです。したがって亡くなった時点での遺産は1億100万円であったということで遺産分割調停において、どうしてもその1億100万円の預貯金を遺産として分割したいのであれば、その1億円を(その調停とは別の手続きである)訴訟等で取り返して現に保有する遺産に積み上げるべき、と言うことになる(但し後述のA@の特別受益になるケースは遺産分割調停の中で考えてもらえる)。
以上の2点はよく理解して調停に臨まないと思わぬ困難に遭遇することになります。
4 ケース別調停決裂後の使途不明金事件の取り扱い
そこで調停決裂後の使途不明金事件の取り扱いについて、ケース別に説明します。ここではは使途不明金問題を含む遺産分割調停が決裂したらどうなるのかについて説明するわけですが、どうして調停決裂後を説明するのかというと、その段階で初めてその使途不明金問題の本質が顕在化し、その本質に基づいて遺産分割手続きの中で考えるべき事件とそうでない事件が明確になるからであります。そうすると決裂後は遺産分割手続内で考えないとするならば、そもそも遺産分割調停で取り扱うことがおかしいのでは?と言う疑問が生じるのも当然ですが、家庭裁判所としては当事者から持ち出される話は一応全て聞くというスタンスなので、純然たる遺産分割問題ではなくても調停としては話を聞くと言うことになり、調停中はすべて遺産分割調停のなかで解決を図っていくこととされているわけです。そこで本題ですが場合分けとしては被相続人死亡の前後で別れ、生前の場合、引き出し原因によって分かれると言うことになります。
@没後に引き出したケース
このケースも広く言えば遺産の問題ですが、前述した通り遺産分割調停で取り扱う遺産というものは現に申立時に存在する遺産のみがその対象になり、それ以外のあるべき遺産というものは遺産分割調停・審判とは関係がないがないものとされます。このケースは元々遺産であったのが没後に引き出されて今はその引き出された残額しか残っていないというわけですから、その残額がこの遺産分割調停で分割すべき遺産として取り扱われ、逆に、あるべき遺産については取り戻したいと考える者が引き出した者に対して別途不当利得もしくは不法行為を理由として裁判を起こし勝訴しかつその返還を受けた後、その分につき改めて遺産分割しなければならないと言うことになります。
A没前に引き出したケース
このケースはその後の手続きで考えると引き出し原因別に2つの場合に分かれることになります。
@ 一つは「貴方ににあげます」と「贈与」された場合です。この場合は、「特別受益」の問題として遺産分割・審判の中で扱われます。純然たる遺産分割事件と言うことになります。
A もう一つは「無断引き出し」という場合です。横領のような場合もこれに当たると言うことになります。この場合は無断引き出しについて遺産分割調停・審判とは別に地方裁判所で不調利得返還請求訴訟もしくは不法行為損害賠償請求訴訟で勝訴し、回収に成功した場合にのみ改めて遺産分割の対象になると言うことになります。
5 使途不明金問題の調停決裂後の取扱いと弁護士費用
   家庭裁判所における調停は「話し合いの場」にすぎないので、上述のいずれの場合でも一応調停の俎上にあげることができます。しかしながら調停で何らかの合意に達しなかったときは前述の通りのケースに応じてその後の手続きが変わってきます。したがって使途不明金問題の解決を訴える人にとってはこの段階に至ってしまうと次の手続きのための弁護士費用が追加発生することになるので注意が必要です。この点の見通しがないままとりあえず調停を開始するとあとで思わぬ出費が必要と言うことになりかねないということになります。
6 使途不明金問題を起こさないために
  @当職はこの預貯金を払い戻した相続人側の弁護も経験しています。本稿では払戻金の使途が不明であると言う意味で「使途不明金」という用語を用いていますが、その経験からすれば払い戻した側にとっては(思い出しうる限り)全て十分な理由のある払い戻しであるお金であったのです。というのは「○○を買ってください。お釣りは貴方の好きなものに使っていいよ」と言われている場合であったり、事前の明確な合意はなかったが買い物をしてあげてそのお釣りは自分のために費消してもその後被相続人から何の文句も言われなかったと言うケースもある。但しいずれの場合も被相続人が死亡したり高度の痴呆状態になったらこれを証明する手段はないため、結果として「使途不明金」になっていくと言うことになる。その結果この相続問題は「争族」問題の中心的テーマになっていくわけである。被相続人は自分としてはごく普通の(むしろ善意の)態度をしていただけなのにまさかこのような結果を産むとは思っていなかったと胸中を察するのである。「お釣りは貴方の好きなものに使っていいよ」と言ってあげたばかりに反ってその世話になった相続人に対する手厳しい仕打ちに近いものになっているのが現実である。こういうことになる位なら関わらなければ良かった、と言うことになる。
Aそこでこういう不幸な事態を避ける方策であるが以下のような点が重要になる。
@まず生前に被相続人の同意がない勝手に払い戻しなどしていないということの証明が絶対に必要である。そのためには財産管理契約書を締結しておく必要がある。近親者同士だから堅苦しことはしないと言うことにはならない。被相続人が死亡した時に威力を発揮する契約書だからである。
A次に被相続人になる人が生前に痴呆等で精神状態が不調になる場合がある。これに備えて任意後見契約書を作成しておきたい。財産管理契約書の継続版という位置づけになる。これがないと法定成年後見人が財産管理をすることになる。
B3番目に被相続人が死亡した際の諸費用の精算等を適切に行わなければならない。勝手に行うとこれも使途不明金問題になる。そのためには死後事務委任契約書を締結しておく必要がある。
C最後に遺言である。財産をどう渡すかは遺言者の自由である。しかしながら、前述した「お釣りは自分のため使っていいよ」というようなことがあれば、それは場合によっては特別受益と評価されて相続分の前渡しとして相続額を減額されかねない。このようなことでその人が遺産分割で無用な不利益がないように「持戻し免除条項」を遺言書に書き込まないといけない。この持戻し免除条項は遺言書でなければ法律上の効力が認められないのである。
以上の4つの契約書を準備することによって初めて被相続人没後の使途不明金問題は避けられることになる。

相続問題と争族問題

「うちには財産なんかないから、相続なんて関係ない」と思っている人が割合と多いかもしれません。相続税がかからなければ問題はないということかもしれません。しかし、相続問題は必ずしも相続税の有無とは関係ありません。たとえば、父親が亡くなって相続が発生したとします。相続人は母親と長男、次男。長男夫婦は父親名義の家で母と同居しています。次男は結婚して賃貸マンションに住んでいます。財産としては父親名義の家の他にはありません。そうすると、1軒の家を母親、長男、次男の3人で遺産分割するわけですが、売却しない限りすっきり分けることはできません。しかし、売却すれば、母親と長男夫婦の住む場所がなくなってしまいます。売却した金額の母親と長男の相続分で新たに家を買おうとしても、相当住環境が変わってくる可能性が高い。かといって、売却しなければ次男に遺産を分けることはできません。こうして遺産分割を巡って誰にでも相続争いが起きりうるということになるわけです。
しかもこれに後継者承継の問題がからむと相当複雑な問題になります。

できうればこんな事にならないように事前に遺言の相談をお勧めします。

またこのようにあらかじめ遺言が準備できていない場合でも第三者たる弁護士に委任して透明性を高めて相続が争族にならないようすることをお勧めします。
 とりわけ医療法人(出資持分あり)等の場合には早めの準備をしないと対策が間に合わないことがあります。
 

相続の大まかな流れ

一例です。相続税申告前に遺産分割協議がまとまらないことはよくあることです。
         
被相続人が亡くなる              
      ↓                  
遺言の有無を調査する。
   自筆証書遺言であれば家庭裁判所ですみやかに検認手続を行う。
   公証人役場において被相続人作成による遺言がないか検索する。         
      ↓
相続人の範囲を確定する・・相続関係説明図の作成          
      ↓
遺産の範囲を確定する・・・財産目録の作成
       ↓
遺産を「遺産分割時にできる限り接近した時点の時価」で評価する。     
      ↓
限定承認・相続放棄の手続( 死亡を知った日から3か月以内)
             
      ↓
遺産分割協議をする             
      ↓
遺産の分配・名義変更を行う     
      ↓

相続税の申告・納付(10か月以内)  (但し、相続税が発生しない場合は不要)
     

Q&A 2 香典・弔慰金の相続財産性

質問 喪主である長男が香典・弔慰金から葬儀費用を差し引いた残りは自分のものだと言って分配しません。法律的にはどうなるのでしょうか。
回答 葬儀の際の香典の性質は、相続財産ではなく、遺族に対する扶助の精神にもとづき葬式費用の一部を負担するものであり、一般的には喪主に贈られたもの解されます。したがって、残念ながら相続財産とはなりません。あらかじめ残余金の使途を相続人で話し合っておくべきでした。

Q&A 3 葬儀費用の支払と相続財産

質問 葬式費用は、香典等から支払うべきものですか。相続財産で支払うべきものですか。相続人が支払うべきものですか?
回答 葬式費用については、債権者(寺院や葬儀業者等)の先取特権(他の債権者に優先して、支払いを受ける権利)が相続財産等の上に成立すること(民法309条)、および相続税の控除の対象となること(相続税法13条1項2号)が規定されているくらいで、誰が負担すべきか定めた法律の規定はありません。
 そこで、誰が負担するかが問題となります。学説や裁判例の傾向からすると、葬式費用はまず香典で賄い、その不足分は相続財産の中から支払い、さらに不足するときは相続債務に準じ、その相続人が相続分に応じて負担すべきものと考える見解が有力だと考えます。

お墓や仏壇は相続財産ではない?!誰が承継するの?

お墓や仏壇は相続財産ではありません。

1 特に祭祀財産を相続財産に含まると勘違いしている相続人がいると、紛争の種になりやすいので注意が必要です。お墓や仏壇を守っていくのは相続とは関係ないのです。相続放棄をした人でも祭祀財産の承継者となることができます。

2 祭祀継承者とは祭祀財産の承継者のことで
民法897条では、系譜、祭具及び墳墓などの所有権は、祖先の祭祀を主宰すべき者が承継し、相続の対象にはならないとされています

  @系譜とは、家系を書いた系図やこれに類するもののことです。
  A祭具とは、仏像、位牌その他礼拝又は祭祀の用に供するために必要な用具で、仏壇、 神棚およびこれに付属した用具一切が含まれますが、仏間のように、建物の一部になつているものは含まないとされています。
  B墳墓とは、遺体や遺骨を葬ってある墓碑、埋棺、霊屋などの設備のことです。


3祭祀承継者は次の方法により決められることとされています。
 @ 被相続人の指定がある場合には、その指定された者が祭祀を承継します。この指定は、遺言ですることが一般的ですが、生前に口頭で指定してもかまわないとされています。
 A 被相続人の指定がない場合は、慣習に従って承継者が決まります。
 B 被相続人の指定もなく、慣習も明らかでない場合は、家庭裁判所の調停・審判で決められます。

家庭裁判所では以下のことが考慮されるとされています。
「承継候補者と被相続人との間の身分関係や事実上の生活関係、承継候補者と祭具などとの間の場所的関係、祭具などの取得の目的や管理などの経緯、承継候補者の祭祀主宰の意思や能力、利害関係人全員の生活状況および意見などを総合的に判断すべきであるが(中略)、祖先の祭祀は、今日もはや義務としてではなく、死者に対する慕情、愛情、感謝の気持によってなされるべきものであるから、遠い昔の祖先よりも近い祖先、つまり被相続人と緊密な生活関係・親和関係にあって、被相続人に対し上記のような心情を最も強く持つ者を選ぶべき」

4 祭祀財産の承継の特色
@祭祀財産の承継については、相続税の対象から除外され課税されません。
A遺産分割に際して、祭祀を承継することを理由に、遺産を多く取得することを求める当事者がいますが、遺産の問題とは関係ありません。
B 被指定者は辞退・放棄はできないが、祭祀承継者が今後祭祀を営むかどうかは、その者の自由であって義務ではない。また、承継した祭祀財産を処分することも自由。

親なきあと 障害のある子供を守る工夫

親亡きあとに各種障害のある子供が生きていくための方策を考えるにあたっては、
いわゆる特定障害者についての特定贈与信託、成年後見制度などいくつかの方策がよく挙げられるが、前者については税金的な有利さは認められるにせよ、問題はその使い道であることが何ら担保されておらず、後者は、(実務を知らないと合点がいかないところはあるのは承知の下で)財産を守るだけであればよい制度であるが、本人に対する有益な投資を可能としない点が問題である。そこで信託契約を中心として各種制度を組み合わせて対応する方法を目指しております。相談事例的には以下のような典型事例になります。ただこの手の問題は非常に状況が異なるものなので個別にご相談してよりよいものを作り出していくほか方法はないのも事実です。ご心配の方の力に少しでもなれればと考えております。障害者ばかりではなく社会的引きこもり等についても応用可能だと考えています。
(典型事例)
私には知的障害のある娘がいます。娘はもう40歳を過ぎていますが、障害のため自分で働いて生活していくことは困難です。妻は数年前に他界しています。頼れる親戚はいません。娘の将来を少しでもよりよいものとしておくために何かできないでしょうか。

お願いだけではダメ。遺言書作成の必要性


Xさん(女性)から相談を受けました。私は介護施設職員でその介護施設に叔母さん(Aさ
ん)が利用されていました。この十数年、叔母さんの世話をし、叔母さんの全面的な信頼を
得ていました。そこでXさんは叔母さん(A)から次のようなことを頼まれました。
自分が死亡したら、自分の預金を使って
@お世話になった(他人の)Bさんに100万円を渡して欲しい
A葬儀代や将来の法事代を支出して欲しい
Xさんは完全にボランティアでこれまでも世話をしてきており、この頼まれごとも無報酬で行
うつもりでした。この頼まれごとは「遺言」という形にもされておらず口頭レベルでした。
そうしたところAさんは死亡しました。そこでXさんはAさんのお願い事を達成するためAさん
の預金通帳から100万円を下ろしてBさんに100万円を渡しました。次に葬儀代を支払おうと通
帳から下ろそうと銀行に行ったところ預金は凍結されていました。
どうすれば良いかという相談です。

結論から言うとXさん単独ではどうしようもありません。Xさんの相続人(8人いました。Xさ
んも知らない人もいます)全員の印鑑を揃えて銀行口座の凍結するほかありません。しかし
既にBさんに100万円を支払っているのでXさんは横領罪ということで相続人に責められるかも
しれません。という回答になりました。
Xさんは誠実な方でAさんの遺志を丁寧に実行しようとしたばかりにこういうことになりまし
た。適切な「遺言書」を作っておかないと「良い人」を「悪人」にしてしまうことになります。
頼む側も頼まれる側もこういう配慮がないとかえって迷惑な話になるという典型例です。

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