7借地・借家・マンション問題|佐世保 長崎県北(平戸市・松浦市)を拠点とする弁護士(松尾茂利法律事務所)です。

松尾茂利法律事務所
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弁護士から見たサブリース契約のチェックポイント

1 不動産サブリースとは
不動産サブリースとは、不動産所有者(オーナー)がサブリース業者に所有不動産を賃貸し、当該不動産の賃借人となったサブリース業者が入居者に再度賃貸するという「転貸借」の形式により行われる不動産運用をいいます。以下この不動産サブリース(契約)を単に「サブリース」といい、これらを主たる業務として営業する会社を「サブリース業者」といいます。
2 サブリースの勧誘方法と危険性
(1)
サブリース業者は、遊休地を持っている地主さんに対し、「アパートを建てませんか」「30年の借り上げ保証がありますから、安心ですよ」「オーナーは通帳を見ているだけで、何もしなくて良いですよ」などという誘い文句を使って、サブリース用アパート建築をすすめてきます。さらに資産家と言われるようなところに対しては「このままでは相続税が高くなります」といって、勧めることもあります。さらに、場合によっては、30年間の賃料保証をするどころか右肩上がりに賃料が上昇するような事業計画書を示して、勧誘することもあるようです。しかし、建物が老朽化すれば、新築物件と比べて競争力が落ちるのは当然であり、この様な事業収支は、極めて信用性に欠けることは直ぐわかるはずです。しかしながら、勧誘を受けた側としては、(テレビでCMをやっている)「大手の業者が言うのだからそうかもしれない」、「まあ大丈夫だろう」とついついアパート建築の方向に傾いてしまい挙げ句の果てにはサブリース契約を締結したしまうというのが典型的な被害パターンではないかと思われます。
(2)
そして計画通り事が運ばずにいざ裁判沙汰になると、サブリース業者側からは、賃料が右肩上がりに上昇するような事業計画書はあくまでも想定計画であって、実際、契約書にはそのような約束はしていないという反論がなされます。そして当該契約書を見てみるとサブリース業者の言うとおり契約書にはそのような甘い条項は書いてないことはよくあることです。
(3)
そうするとオーナーが営業マンのセールストークを信じてよいかどうかの最終判断は契約書によってする他なのではないかと思われる。それまでは夢物語の演劇を見せられているようなものである。そこで本稿ではサブリース契約書の契約条項に見る危ないサブリース契約の見分け方の一端をご説明しようと思う。
3 契約条項別の検討

(1)
契約期間
 契約期間がそもそも2〜3年間等の短期間の定めになっているときは直ちに要注意な契約ということになる。その他、契約期間は2年で、更新すれば最長30年という定め方の場合も要注意である。どういうことかと言うと、その2年間が満了する時に賃料の減額を持ちかけてくるわけであり、これに応じることができなければ契約は期間満了によって終了してしまうという契約条項なのである。そうすると減額を持ちかけられたオーナーとしては(金融機関への支払に目処をつけるためにも)この賃料減額に応じざるを得ない状況に追い込まれるわけである。
 そして例え契約期間30年とされていても、2年ごとに実施される賃料の協議が整わなければ「契約が終了する」という条項がある場合は実質的には短い契約期間と言うことができるのであり同様に要注意契約と言うことになる。
(2)
賃料改定(家賃保証額)
@ サブリース契約はサブリース会社がアパートをまるごと借り上げ、オーナーに賃料(保証賃料)を支払います。このため、オーナーはアパートにある空室数に関わらず、一定の家賃収入を得ることができるというわけです。これによって金融機関への返済を安定的にできることになるというわけです。この保養賃料の相場としては、満室時の家賃収入の80~90%ほどのところが多いようです。
A 30年間家賃保証と言うこと

ここでの最大の問題は勧誘時の営業社員のセールストークである30年間(最初に定めた)家賃保証ということが法律的に認められるのか、あるいはサブリース業者の義務と言えるのかと言うことです。具体的にはこう言うセールストークのもと締結したサブリース契約についてサブリース業者から借地借家法32条に定める賃料の増減請求制度を利用できないと言うことになるのかということが法律上の問題点となります。この点、裁判所の考えは、サブリース契約も賃貸借契約である以上、借地借家法32条に定める賃料の増減請求制度の適用があるとしています。したがってサブリース業者の賃料の増減請求は裁判所において認められると言うことになります(但しその減額幅は通常の賃貸借契約とは異なる要素があると考えらています。ここではこの程度で)。
⑶そうすると問題は前述の契約期間のところで指摘したのと同じく、例え契約期間が30年と設定競れていても2年ごとに実施される賃料の協議が整わなければ「契約が終了する」という条項がある場合、オーナーは渋々これに応じざるを得ない状況に追い込まれるわけで、危険な契約となるわけです。

(3)
建物の維持管理費等々

@ サブリース契約はサブリース業者による一括借り上げ契約であるので、例えば入居者(転借人)が退去し、新たな入居者を募集するための室内クリーニング等は転貸人たるサブリース業者において実施されるべき事項だと思われるが、契約書上、これをオーナーの負担とするものも存在する。その他入居者募集に必要な衛生機器や建具の取り替えについて、サブリース業者が必要だと判断すればオーナーが費用負担することになっていたり、内装や附属設備等の経年変化等による損耗の修理費用負担義務をオーナーの負担としている契約書も存する。
A 後日上記に関して何らかの紛争問題が生じた場合にはサブリース業者は契約書に記載され、これにオーナーが署名押印しているのであるから問題はないと言う反論をすることになります。問題はこれらのことについてオーナーはどれほど理解していたかかであります。しかしながら法律的にはかかる内容が記載された契約書に署名した以上「知らなかった」では済まないことにならざるを得ません。したがって契約書にサインする前に確認する必要があります。本稿の目的はまさにこの点にあります。とりわけかような建物の維持管理費用が広告上は不要としながら実際上は必要ということであれば、それは収支計画に大きく関係してくる可能性もあるのであり、中止しなければならない条項と言うことになります。
4 まとめ
契約条項は現在のところサブリース業者に有利な正当化の道具にな合っています。しかしながらよく考えるとこの点を正常化できればいわば最終的なオーナーにとっての防御のよりどころにもなり得るわけです。契約書に署名押印する直前が勝負です。しかしながら現時点において契約書の調印は長い交渉のなかで一番最後で登場する儀式のようなものになっており、それまではいわば最もうまくいったサブリースの場合の仮想の演劇をたっぷり見させられており感覚が鈍磨していると思われます。本稿を目にされた方は是非とも、契約書にサインする前に上述の点を確かめることをお勧めします。

サブリース契約被害パターン

サブリース被害パターンの典型は、@オーナーの所有地にアパートを建てさせる「建築勧誘型」とAアパートやマンションの1棟を購入させる「購入勧誘型」の2の類型になる。
  結論から言うとこの誘われた段階でサブリース被害に合わないように回避しなければならないと言うことになる。相当に早い時期であるがどう考えてもここしかない。この時期を逃すと残念ながら長く辛い戦いにならざるを得ない。以下説明する。
@ 「建築勧誘型」
サブリース業者にとっては最も目理委とのある類型と言うことになる。これは遊休地の所有者(オーナー)に対し、セールス訪問等を繰り返し、「宅地にしてアパートを建てませんか。当社が一括借り上げして家賃も保証します。管理の手間もかかりません。相続時の節税効果もあって、安心で堅実な資産運用です」みたいなセールストークで勧誘しアパート・マンションの建築と一括借り上げのサブリース契約を受注していくと行った類型である。この類型では建築を請け負う建設業者とサブリース業者とは、同一または極めて密接な関連会社等ということになる。
この場合サブリース業者にとっては収益確保の観点からは「建築受注」こそが至上命題であり、「一括借り上げ」はそれを下支えするための手段に過ぎないと言うことができる。そして一旦「建築受注」でサブリース業者が利益を得たならば今度は徹底したその得た利益を得た利益を流出させないように、サブリース契約の中に、しれーっと短期間の契約期間条項、家賃改定条項、中途解約条項等を組み込むことでこの流出を防いでいると言うことになっているわけである。
A 購入勧誘型
この型になるのは、遊休地などは持っていないため建築の提案はできないが、その代わり真耀を盛っているすなわち給料等が安定しているサラーリーマン等がターゲットにされやすい。このタイプに銀行まで不当に関わってくると「かぼちゃの馬車」という女性専用シェアハウスへの投資を多数のサラリーマンに勧誘し、その後そのスマートデイズという運営会社が破綻したというタイプの事件にまで張ってすることになる。この場合のセールストークの内容はほとんど同じであるが、資産家というわけではないので節税のセールストークではなく、「万一の場合(死亡のこと)には団体信用生命保険でローンは完済されますから、相続人に名分けを掛けることはありません」とか「万一赤字でも税金還付による節税効果があります」という点が変わってくる。これ自体は嘘ではないが、サブリース業者はアパート・マンション販売報酬の利益を確保することが至上命題になるわけでこの利益を流出させないよう各種の方策を講じてくることは前述同様である。
B その他(サブリース契約単独型)
サブリース契約単独型というのが論理上は考えられるが、まず現実に見ることはない。サブリース業者からすればあまりにも利益が見込めない故にサブリース契約という自らをリスクにさらしかねない契約を餌にして勧誘する必然性を感じないからである。

借家関係

質問 1家主から家賃を増額すると言われた場合
回答 家主は、一定の要件(不動産に対する固定資産税等の増加、建物価格の上昇、経済事情の変動、近傍同種の建物の家賃と比較して不相当に低廉になったときなど)を充たせば、家賃の増額を請求することができるとされています。

借家人が家賃の増額に不服であれば、家主と協議することになります。協議が調わない場合、家主は家賃増額を認めてもらうための裁判を起こすことになります。

つまり借家人は、この裁判が確定するまで、相当と考える金額を供託するなどして支払うことになりますが、結果的にその金額が裁判で確定した金額よりも低ければ、不足額に利息を付けて支払わなければなりません。
質問 2 建物の賃借人が夜逃げをしてしまった場合
回答 賃借人が長期間不在となり、賃料の支払もないような場合には、賃借人に対する建物明渡請求訴訟を起こすことが考えられます。

この場合、賃借人の居場所が分からなければ、公示催告という手続(裁判所の掲示板に呼出状を掲示し、一定期間が経過すれば裁判を進められる手続)で裁判を進めることができます。

裁判を経ないまま、賃貸人が建物内に立入って残存物を搬出したりすると、後日、賃借人から慰謝料請求をされたり、住居侵入罪等に問われる可能性があり避けるべきです。
質問 3借家契約の終了後、賃貸物件を明渡したのに、家主が建物内の汚損・破損等を理由にして敷金を返さない場合
回答 建物の借主は、退去の際、建物を原状に回復した上で明渡さなければならないとされていますが、契約書に特別な条項がない限り、入居した時と全く同じ状態に戻すことまでは必要なく、経年変化や通常の使用によっても生じるような損耗・汚損については、そのままの状態で明渡せばよいと解されています。

マンション関係

質問 1 隣室の騒音がひどい場合
回答 マンション等の集合住宅の場合、多少の音であればお互い様ということで我慢しなければなりません。これを受忍限度論といいます。

しかし我慢の限度(受忍限度)を超える場合、法律的には家主への請求(隣室の騒音を止めさせるための措置を施す請求)や隣室の住人への請求(差止請求、損害賠償請求)が可能となります。

リフォームで欠陥住宅被害に遭わないためには

老後に備えて既存の住宅をリフォームしする方が多くなっています。しかし残念ながら雑な工事や手抜き工事で欠陥被害に遭われる方も増えています。このような被害に遭わないためには、建築前後にしっかり専門家に検討することです。なれ合いにならないことが必要なのでお知り合いの弁護士さんに頼まれて手配するのもいいのかもしれません。これだとあまり弁護士費用もかからないと思います。そこまではという方は最低限その業者が「住宅瑕疵(かし)保険」を使える業者として登録されているかどうか確認してください。責任ある業者であれば対応できると答えるはずです。それでもできれば万一のためにこの保険に入りたいものです。「住宅かし保険って何」という方は検索すると国土交通省か弁護士会のサイトに当たるはずです。500万円を超える請負工事等の場合には建設業の許可があるかどうかもチェックした方がいいと思います。私の経験上多くはこういうところもしっかりしていないところが多いのです

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